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フリースクール利用家庭の経済的負担や支援状況等に関する調査結果をお知らせします

長野県では、フリースクールを利用する家庭の負担軽減や、多様な学びの場の充実に向けた施策の検討を進めるため、県内のフリースクールを利用する児童生徒の保護者を対象に初めて調査を実施しました。この度、その調査結果がまとまりましたので、お知らせします。

本調査結果を踏まえ、県では、フリースクール利用家庭への経済的負担の軽減に関する市町村による利用料支援の後押しや支援制度の周知向上に取り組みます。また、「信州型フリースクール認証制度」を通じて関係機関との連携を進め、子どもたちやその保護者の交流の場や多様な学びを支える環境づくりを進めていきます。

 

フリースクール利用家庭の経済的負担や支援状況等に関する調査結果 概要版(ポイント)


長野県県民文化部こども若者局次世代サポート課
(事業受託者:NPO法人多様な学びプロジェクト)

1 調査概要

  • 目的:フリースクールを利用する児童生徒の保護者を対象に、フリースクール利用に係る経済的負担や支援状況等のアンケートを実施し、今後の支援策の検討に活用する
  • 対象:長野県内でフリースクールを利用している主に小中学生(小1~中3)の保護者
  • 方法:インターネット調査(Googleフォーム)
  • 期間:令和7年9月22日~10月17日
  • 回答数:106件

2 調査結果の概要及び考えられる必要な対応

(1)回答者のお子さんの状況について(設問1~8)

  • 学校を休み始めた時期は小学1年生が最も多く、36.4%。
  • 学年は主に小学3~6年生と中学1・2年生で、週3回以上のフリースクール利用者が44.2%。

(2)フリースクール利用家庭の経済的負担(設問9~15)

  • 全体の72%が負担を感じている。
  • 一人当たりの月額平均費用は23,850円で、5千円未満が最多の26%である一方、5万円超も12%と、施設により大きな差がある。また、入会金(一時費用)は、5千円未満が70%だが、5万円超も10%。
  • 特に金銭的に負担を感じている項目は、高い順から利用料(会費)>交通費(送迎代、ガソリン代含む)>昼食/飲食代>入会費。
  • 自由記述では「仕事は減り支出は増えた」、「送迎負担が大きい」などの趣旨の回答のほか、経済的負担が理由でフリースクール利用を断念又は利用頻度を抑制せざるを得なかったなどの回答があった。

⇒ 利用料や交通費などに関する経済的負担感が強いことから、こうした費用への補助が求められる。

(3)フリースクールの利用の保護者の就労への影響(設問11)

  • 全体の78%の保護者が働き方に何らかの変化を経験。
  • 主な変化は、「勤務時間・業務量の減少」(44%)、「早退・遅刻の増加」(21%)、「退職」(16%)、「転職」(15%)、「欠勤の増加」(13%)など。多くの利用家庭で収入の減少が生じる一方、フリースクール等の利用料負担による支出増加が同時に発生している。
  • 自由記述では「送迎で働けない」、「仕事を辞めざるを得ない」などの回答が目立つ。

⇒ 保護者の働き方に大きな影響が出ていることから、送迎への支援、柔軟な働き方といった仕組みづくりの検討や、職場での理解促進が求められる。

(4)フリースクールの利用による変化(設問16~17)

  • 全体の98%が「利用により良い変化あり」と回答。
  • 主な変化は、「子どもの笑顔が増えた」(78%)、「興味・関心の幅が広がった」(62%)、「子どもが自分の意見を言うようになった」(49%)、「保護者の孤立感軽減」(36%)などのほか、家族関係が改善した旨の回答も一定割合ある。

(5)不登校の子どもの親の会の参加状況とニーズ(設問18~26)

  • 親の会に参加したことがある家庭は53%で、参加経験なしが47%。参加頻度は月1回以上が21%、不定期利用や過去に参加したが現在は参加していない方も多い。
  • 参加のきっかけは「フリースクールからの紹介」が最多で64%。参加で得られたことは「情報やアドバイス」(70%)、「同じ悩みを持つ保護者との交流」(68%)など。
  • 不参加理由は「時間が合わない」が42%と最多。なお、開催されていることを知らない旨の回答も複数あった。

⇒ 保護者の孤立感軽減や情報共有の場として重要な親の会について、その周知の強化や多様な参加形態の充実が求められる。

(6)行政による支援制度の認知・利用(設問27~36)

  • 長野県の施策に対する認知について、知らないと回答した方は、「信州型フリースクール認証制度」(41%)、「長野県フリースクール等情報ポータルサイト(愛称:kikka☆link~きっか・リン~)」(53%)、県教育委員会作成した「はばたき~不登校児童生徒の学びのサポートガイド~」(87%)、「子ども・保護者と学校・市町村を結ぶきっかけづくりのためのコミュニケーションシート」(78%)。
  • 県内市町村におけるフリースクールの利用者支援制度(家庭への補助金など)の利用は26%、「知らない」、「制度がない」が54%。制度へのニーズとしては、「補助制度があれば利用したい」が92%。
  • 制度を利用している方の既存の利用者支援制度に対する満足度については、満足が27%、満足ではないが45%。
  • 自由記述では、制度の周知とその使いやすさが課題との意見もあった。

⇒ 行政が実施する支援制度について、認知度を高めるための情報発信の強化が求められる。

(7)長野県(行政)への今後の施策ニーズ(設問37~38)

  • 行政に求める今後の支援としては、「利用料への補助」(72%)が最も多く、次いで「情報提供の充実」(60%)、「フリースクールの質の保証」(35%)、「保護者の職場・勤務先での理解促進」(33%)など。
  • 自由記述では、「経済的負担が大きいため、より充実した補助を求める」、「学校や行政と連携した、多様な学びを支える仕組みを整えてほしい」などの意見があった。